国内企業の競争力強化の一貫として、法人税減税が叫ばれていますが
それが、国内の中小企業の経営に直接的な効果が見込めるのかはまだ未知数です。

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産経新聞より

政府は6月に閣議決定した新成長戦略に現在35%程度の法人税の実効税率について来年度からの数年で20%台へ引き下げる方針を明記した。アジア各国と遜色ない税率を実現し、国内企業の競争力を強化する狙い。ただ、具体的な下げ幅や税収減を穴埋めする代替財源については年末に結論が先送りされた。法人税減税で経済成長と財政再建の両立は図れるのか。法人税改革のあり方を、経団連の税制委員長を務める佐々木則夫副会長と財政制度等審議会会長の吉川洋東大院教授に聞いた。

■佐々木則夫氏「競争力回復で税収増に」

--法人税減税はなぜ必要なのか

「日本は、税収に占める法人所得課税の負担割合が高い。平成22年度ベースで米国の1・3倍、ドイツの3倍にも達している。日本企業にとって不利な条件を是正していかなければ、企業は強くなれない」

--減税で具体的に何が変わるのか

「法人税減税の効果は、税負担の減る企業が、増えた利益を競争力強化のための研究開発や設備投資に回せることだ。市場が急拡大する新興国などで世界の企業と戦う日本企業が、競争上、優位に立てる再投資に踏み切れる環境を整えることは重要だ。対日直接投資を増やすためにも世界と遜色ない税率にすることが必要だ」

--経団連はアジア並みの25%程度まで引き下げるよう求めている

「海外の経済情勢や為替動向もよく見極めながら、まず数年で20%台に下げ、その後は安倍晋三政権の経済政策『アベノミクス』に伴う経済成長のペースに応じて25%を目指すべきだ。経団連では税率が25%まで下がると税収が4・3兆円増えると試算している」

--税率1%の下げで約5千億円の税収減になる。代替財源の考え方は

「リーマン・ショック後に持ち直した法人税収の回復分を充てるべきだ。25年度の法人税収は、当初予算ベースでは8・7兆円だったが、補正予算編成後の見積もりでは10・1兆円となり、最終的な仕上がりはさらに増えた。当初の8・7兆円を出発点とすれば、そこから増えた税収分はアベノミクスに伴う成長の果実だ。この回復分を3等分して、法人税減税と財政健全化、経済活性化に充てればいい」

--税収は上ぶれもあれば下ぶれもある。恒久財源にならないのでは

「税収は4年連続で増えている。これは、アベノミクスが定着した証拠だ。十分、恒久財源になり得る」

--税収以外の財源をどう考える

「政府・与党内の検討で、代替財源の候補に挙がる課税ベースの拡大に絶対反対かといえば、そうでもない。特定業界を税優遇する政策減税については役目を終えた古い制度は見直すべきだ。ただ、赤字企業も対象となる外形標準課税を中小企業に広げることについては、慎重に考えた方がいい。何のセーフティーネットも手当てしなければ、倒産が続出し、失業率も上がる。いずれにしても経済界にあまりインパクトを与えない仕組みとすべきだ」

--経済財政運営の指針「骨太方針」では32年度の基礎的財政収支の黒字化目標との整合性確保と明記した

「基礎的財政収支の黒字化には楽観シナリオでも12兆円が不足する。今後、歳出削減を最大限やっても黒字化は難しいだろう。残る手段は経済成長しかない。法人税減税で目いっぱい成長を加速する必要がある」

■吉川洋氏「恒久財源の担保不可欠」

--政府が法人実効税率を20%台に引き下げる方針を打ち出した

「日本の法人実効税率は欧州やアジアの国々に比べて高い。これを下げていこうという方向性には賛成だ。ただ法人税を下げれば、それだけで世の中が明るくなり、経済が活性化するというわけではない。実際、1990年代から日本は国税分の法人税の税率を引き下げてきたが、減税後も設備投資は伸び悩み、賃金も横ばいのまま。一方で内部留保ばかりが積み上がった。法人税減税だけでは、経済活性化の“特効薬”にはならないと考えている」

--どうすれば、法人税減税を、経済の活性化につなげられるのか

「日本経済活性化の主体を担うのは企業だ。経済界は長年、法人実効税率の引き下げを求め、税率が下がれば経済が活性化すると言ってきた。法人税減税で税負担の減る企業が、増えた利益を設備投資や賃金などの投資に回す好循環を作り上げることが重要。そのためには、社外取締役の活用など企業統治の強化も必要となる。『ボールは経済界に投げられた』と言いたい」

--法人税減税をめぐっては、代替財源をどう捻出していくかが焦点だ

「仮に減税が先行した場合でも、恒久減税なので、恒久的財源を手当てする必要がある。法人実効税率を1%下げると約5千億円もの税収減になる。税率を20%台まで下げると、税収に2兆円以上の穴が開くことになる。その分は、恒久財源を探すのが筋だ。それは原則として確認すべきではないか」

--代替財源の候補は

「特定業界を税優遇する政策減税の見直しなどで財源を捻出する必要があるだろう。法人税率を下げるというのだから、法人税の課税対象を広げるというのが分かりやすいステップだ。また、現在は、過去の赤字などを理由に企業の7割が法人税を払っていない。企業という看板をかけたら何かしらの税金を払うのが筋。赤字企業も対象の外形標準課税の強化も進めるべきだ」

--ただ政策減税の見直しや外形課税強化には経済界の反発も予想される

「これに関しては、実現しないといけない。経済界全体として法人実効税率を引き下げることを求めてきて、実際に引き下げることが決まったのだから、都合の悪い部分だけ取り上げて見直しはダメというわけにいかない」

--経済成長に伴う税収の上ぶれ分を財源に充てるべきだとの意見がある

「一時的な税収の回復分を恒久財源にするのは論外だ。ただでさえ平成32年度に基礎的財政収支を黒字化するという政府目標を達成するメドは立っていない。そうした中で、代替財源を確保せず、法人税減税に伴う税収の穴を開けたままでいいのか。今でも財政健全化目標の達成に赤信号がともっているのにもっと難しくなってしまう」法人税減税