京セラのアメーバ経営は経営者の間でも非常に有名です。
アメーバ経営では財務3表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)だけでは不十分であるという考えのもと、
「会計」によって導き出された結果を元に経営の意思決定を行っているとのことです。

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「会計」が企業の状態を適切に表すために必須のツールであることは言うまでもない。しかし、「会計」を企業経営の改善ツールとして活用するためには、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を作成するだけでは不十分である。本稿では、京セラのアメーバ経営から、「会計」を企業経営の意思決定補助ツールとして活用するポイントを見ていく。

「時間当り採算制度」

アメーバ経営の管理会計では、「時間当り採算制度」という概念を用いて会計と生産性を結び付け、一人当たりの付加価値を可視化している。時間当り採算は、社内をできるだけ細かい独立採算単位である「アメーバ」に分け、そこに対する、「総出荷(社内+社外)」から仕入れを差し引いた金額を「総生産」としている。さらに、「総生産」から全ての経費を差し引いた金額を「差引売上」とし、それを「総時間」で割ることで「1時間当りの付加価値」を算出することができる仕組みである。この指標を使い、付加価値向上が行われたかどうかを容易にチェックできるのが、アメーバ経営における「時間当り採算制度」の利点である。

「社内」と「社外」を同じ土俵で比較

「時間当り採算制度」を使うことのメリットの一つは、「社内」と「社外」を同じ土俵で比較できる点である。例として、生産量の拡大に伴う製品の検品業務を、「社内」で行うか「社外」に委託するかというケースで考えたい。「時間当り採算制度」が導入されてない場合、製品の検品業務を「社内」で行う際のコストは見えない。しかし、「社外」で行う場合は業務委託費が発生する。この場合、キャッシュアウトが発生しないこともあり、製品の検品業務を「社内」で行うと考えがちだ。しかし、追加人員を雇う費用、教育費用、製品の搬送費用等を考慮すると、実際は「社内」で行う方が余計な費用がかかったというケースがある。仮に、「時間当り採算制度」を導入していれば、業務委託先に作業の所要時間を見積もってもらうことで、「社内」と「社外」の比較が容易にできる。これが、「時間当り採算制度」のメリットである。

アメーバ経営 (日経ビジネス人文庫)

「コスト削減」か「商品力向上」か?

次に、会社の収益を伸ばすために製品(サービス)の製造(提供)コストを下げるべきか、製品(サービス)商品力を上げることで、売上を向上すべきかの意思決定に迫られているケースを考える。この場合も、「時間当り採算制度」を使って両社を比較することができる。
「時間当り採算制度」の下では、「コスト削減」と「商品力向上」の両方とも、1時間当たりの付加価値向上に繋がる。「コスト削減」は、経費を削減することで付加価値の上昇に貢献し、「商品力向上」は総出荷を上げることで付加価値の上昇に貢献する。ゆえに、付加価値の上昇額を比較することで、どちらに注力すべきかを判断することが容易に出来る。これも、「時間当り採
算制度」のメリットである。

意思決定補助ツールとしての「会計」

このように、「会計」を企業経営の意思決定補助ツールとして活用するためには、社内の費用と付加価値を可視化できるようにすること。売上や費用といった一つの項目ではなく、損益計算書を利益=売上-費用という視点。貸借対照表を負債・資本(資金の調達手段)→資産(資金の使い道)といった複眼的な視点で見ることが重要である。