日経新聞に掲載されている記事をご紹介します。大手企業は一時金を含めた賃上げには前向きな姿勢をとっているとのことですが、中小企業の場合その論理は当てはまらないようです。

国内の雇用者全体の約7割を占める中小企業は賃上げに慎重になっているようです。日本商工会議所の調査では、今年賃上げを予定している企業は33.5%と、昨年より6.4ポイント減という実情が浮かび上がっています。
円安で輸入する原材料費が上がり、電気代も上昇するなど経営が厳しくなっている背景があります。
また製品の納入先の大手企業が海外に生産拠点を移し、そのあおりで仕事が減っている下請け企業も数多くあるのが現状です。
とても賃上げを検討する余裕もないといった中小企業が多いようです。

こういった実情を踏まえ、売掛債権を利用したファクタリングによる資金繰り策を検討してみるのも1つの手段と言えます。
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春の賃上げ交渉の記事が目につくようになったわ。企業の業績が良くなってきているという話も聞くし、昨年以上の大幅な賃上げが期待できるのかしら。
賃上げをテーマに伊東美穂さん(38)と鷹巣真希さん(35)が水野裕司編集委員に話を聞いた。

賃上げの記事でよく見る「ベア」って何ですか。

「賃上げは、毎月の給与を上げる場合と、ボーナスを増やす場合に大きく分けられます。毎月の給与の引き上げでは、さらに『定期昇給』(定昇)と『ベースアップ』、略して『ベア』の2種類があります。定昇は、勤続年数に応じて基本給をその会社の計算式に基づき引き上げるものです。一方、ベアは社員全員の基本給の水準を一律に底上げすることです」
「この春、労働組合の集まりである連合は、2%以上のベアを要求しています。ただ、企業側はベアを実施すると、それに連動して社会保険料や退職金も上昇するなどコストが増えます。一方、定昇は、定年退職者の人件費を原資にするので企業の負担が少なくてすみます。ボーナスも業績が悪くなればその年は据え置く、もしくは減らすといった対応ができます。そのため近年の賃上げは、定昇やボーナスが主流でした」

今年は大幅な賃上げが期待できそうですか。

「大手企業の団体である経団連の榊原定征会長は『賃上げに最大限の努力をする』といっています。連合の求めるベア2%以上の引き上げはどうなるかわかりませんが、企業側は一時金を含め、賃上げには前向きな姿勢をみせています。サントリーホールディングスの新浪剛史社長は『ベア、定昇をあわせ2%以上の賃上げを考える』と言っています。こうした積極的な発言が目に付きます」
「安倍晋三政権の経済政策『アベノミクス』の一環で、日銀が大胆な金融緩和に踏み切ったことなどを背景に、企業の業績は改善しています。また日銀の調べによると、2014年9月末時点で、企業が抱える現預金(金融機関を除く)は233兆円と過去最高水準。賃上げの原資はありそうです。人手不足も賃上げには追い風です。賃金を上げないと、ほしい人材がなかなか集まらないからです」
安倍首相も、企業に賃上げを要請していますね。
「安倍政権が目標に掲げるのがデフレからの脱却です。賃金が上がれば、消費に回せるお金が増えます。商品やサービスの売り上げが伸びれば、企業の業績が良くなり、従業員にまた賃上げという形で還元されます。それがまた消費に回るという好循環をつくりたいのです。そのため、昨年も企業に賃上げを働きかけました。企業側も業績改善を踏まえ、それまで抑える傾向にあった賃金の引き上げに転じました」
「ところが、昨年4月に消費税が5%から8%に引き上げられました。さらに、円安で輸入品の値段が上がるなど消費者物価も上昇し、給与が増えた分以上に物価が上がってしまいました。そのため、実際に使えるお金は減っています。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、実際にどれだけのモノやサービスが購入できるかを示す実質賃金は昨年12月時点で18カ月連続で前年を下回っています。安倍政権としては、企業に今年、もう一段の賃上げを実施してもらい、当初の思惑通りに『経済の好循環』につなげたいのです」

賃上げ効果で景気回復は期待できそうですか。

「国内の雇用者全体の約7割を占める中小企業は賃上げに慎重です。日本商工会議所の調査では、今年賃上げを予定している企業は33.5%と、昨年より6.4ポイント減っています。円安で輸入する原材料費が上がり、電気代も上昇するなど経営が厳しいからです。製品の納入先の大手企業が海外に生産拠点を移し、そのあおりで仕事が減っている下請け企業もあります」
「働く人の4割に迫った非正規労働者の賃上げも課題です。労使の賃上げ交渉は主に正社員の賃金が対象で、パートなど非正規で働く人の賃金は後回しになりがちです。いまや非正規雇用は2000万人を超えています。大企業の賃上げだけでは、日本の景気底上げには力不足です。デフレ脱却に向け、中小企業の競争力を高めたり、非正規で働く人のスキル(技能)の習得や正社員化を後押ししたりして、働く人全体の賃金が増えていくようにする必要があります」

ちょっとウンチク〜非正規の収入増が課題〜

国税庁の民間給与実態統計調査(2013年分)によると正社員の平均年収は473万円、非正規で働く人はその約3分の1の168万円。非正規社員の増加で年収200万円以下の人は1120万人に達した。給与所得者の4人に1人を占める。国全体で賃金を上げるには非正規で働く人の収入増が課題だ。
早道は自らの技能を高め、待遇の良い仕事に移れるようにすること。だが教育訓練の機会が非正規社員は少ない。厚生労働省の13年度能力開発基本調査によると、計画的なOJT(日常業務に就きながらの研修)を実施する事業所は正社員に対しては59%だが、パートなどの非正規社員には29%。OFF―JT(通常の仕事を離れての研修)も正社員では70%あるが、非正規社員は34%にとどまる。
企業が毎月支出する従業員1人あたりの教育訓練費は、11年は1038円と、91年の62%の水準に下がっている(厚労省調査)。正社員の教育投資にも消極的になっている心配がある。正社員の生産性向上とそれに伴う賃金増を阻みかねない。