地方都市におけるショッピングセンターの苦しい台所事情に関する記事をご紹介いたします。
人口減に伴い閉鎖を余儀なくされているショッピングセンターも増加傾向にあるようです。

そのあおりを受けてテナントで入っている店舗単位でも事業閉鎖を余儀なくされています。
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日経MJより

総売上高が29兆円を超え、小売業全体の2割を占めるショッピングセンター(SC)が曲がり角を迎えている。閉鎖する動きが増えているほか、テナントが撤退したSCでは補充に奔走する。大量閉鎖が始まる総合スーパーとともに、苦しい地方のSC。生き残りの条件を探った。
 8月末、栃木県小山市のJR小山駅前にあるSC「ロブレ」で館内の7割を占めるテナントが一斉に閉店した。地上8階、地下1階の建物内は仕切りやシャッターで覆われ、わずかに残る店舗も人影はまばらだ。市内の大学に通う野澤こずえさん(21)は「日用品を買うのによく利用していたので残念。早く元のように買い物ができる状態に戻ってほしい」と肩を落とす。
 ロブレは1994年に小山市の駅前再開発事業の一環として開業。総合スーパー(GMS)のイズミヤを中心に約50店が入居する大型商業施設となった。だが3年後、近郊にイオンモール小山が進出。競合の出店が相次ぎ、買い物客は郊外に流れた。10年ごろには売り上げがピークの3分の1に落ち込み、大量のテナントの撤退につながる。
 地方都市では人口減が進むにつれて第二、第三のロブレが生まれている。日本経済新聞社産業地域研究所が13年に全国で10万人以上の264市を対象に行った調査によると、回答のあった自治体のうち7割近くで00年以降に大型店の退店があることがわかった。地域別に見ると北海道や四国、九州で8割を超え、東北では95%に達した。
 「街づくりをする行政としてはガラガラのSCを放置するわけにはいかない」と小山市商業観光課の加藤賢一氏。市はロブレ再生に向けた専門チームを立ち上げ、第三セクターが施設の管理・運営を請け負う。来夏までにテナント誘致を進める計画で、出店がしやすいようにと市が補助金を出して賃料を低く抑える方針も打ち出すほどだ。
 再生パターンとして目立つのは商業スペースを減らし、複合施設に切り替えるケースだ。
 秋田市にあるJR秋田駅前の「フォンテAKITA」がその一つ。10年に中核テナントのイトーヨーカドーが撤退し、館内の8割が空き店舗となった。館内の商業エリアを縮小し、代わりに地域住民が利用できる公共施設の誘致に力を入れた。
 「人口が減って市場が縮んでいるのに、再びテナントを全て埋めるのは難しい」。運営する秋田ショッピングセンターの佐々木泰英会長はこう話す。指南したのは野村不動産ホールディングス子会社でSCの再生事業を手掛けるジオ・アカマツ(東京・新宿)。加茂忠秀取締役は「ここ数年で行政からSC再生の相談を持ちかけられる件数は増えている」と話す。
 佐々木会長は自ら秋田市長らのもとに足を運んで交渉したことが実を結び、11年にはリニューアルオープンにこぎ着けた。現在は地上7階、地下1階の館内で6階フロアは丸ごと県や市の施設が入居。図書館や学習スペース、イベント会場のほか子供を預けられる遊び場もある。
 市内に住む中山優さん(30)は週に一度、子供2人を連れて訪れる常連だ。「遊具が充実していて子供は楽しそう。ママ友の輪も広がるので、ショッピングセンターにこういった場があるのは便利」と笑顔で話す。
 岐阜県本巣市。2つのイオンモールと商圏が重なる大型SC「モレラ岐阜」もかつて人の集まらないガラガラの施設として話題となった。06年の開業からわずか1年で売り上げが急減。09年に大規模リニューアルに乗り出す前には館内の2割近くが空きテナントとなり、「つぶれるのも時間の問題」と噂された。
 リニューアルを手掛けたのは不動産受託管理のザイマックス(東京・港)。賃料交渉でファストファッションなどの有力テナントを集める一方で、地元の消費者に向けて再生事業の過程を細かく発信するユニークな取り組みにも力を入れた。
 モレラ岐阜では再生への道のりをソーシャルメディアを利用し、全面的に公開。地域の共有財産であることを訴えた。フェイスブックでリニューアルの進み具合を細かく配信し、完成に近づく高揚感を演出。営業を妨げないように夜間に内装工事をしている写真やイメージキャラクターの着ぐるみが販売員向けの接客講座を受けている様子を投稿した。
 普段は目にすることのないSCの裏側を伝え、再生に向けた準備が進んでいることを発信した。投稿はおよそ半年にわたって毎週続け、「イイネ」の合計は1万を超えた。底を打った施設の売り上げは今も増加傾向を続けるという。「一度離れた顧客はなかなか戻らない。地元のSCとして愛着をもってもらえるようにしたかった」と事業開発部の平井直人マネジャーは話す。
 再生どころか、低迷前より成長したケースもある。山口県山陽小野田市の「おのだサンパーク」。83年に開業し、08年5月には建て替えで売り場面積をそれまでの1・5倍となる3万8000平方メートルに広げた。だが直後のリーマン・ショックで売り上げが急落。テナントの倒産が相次ぎ、広げた施設は1割が空白となってしまう。
 「経営は苦しかったが、手当たり次第にテナントをかき集めることはしなかった」と運営する小野田商業開発の吉良忠開発部長。焦ってテナントを埋めても施設の魅力は下がり、長い目で見るとじり貧になると感じたという。
 こだわったのは徹底して周辺にない店舗をそろえること。山口県はイオンモールなど大手が未進出なこともあり、全国展開のアパレルチェーンが出店していない場合も多い。粘り強い交渉で婦人服ブランドの「アズール・バイ・マウジー」や「スタディオクリップ」など山口県初となる店舗を相次ぎ誘致した。
 未進出だったテナントは今も増えており、昨夏のリニューアルでは140店のうち40店が県内唯一の店舗となった。遠方からの集客にもつながったことで売り上げは今年、7年連続で前年実績を上回る見込みだ。
 都市部の半分ほどに抑えた賃料にしただけでなく、地元のデベロッパーとしての強みを生かして店舗スタッフの人材も仲介する。テナントからも「地元目線の運営が顧客の安心感を得ている」(アダストリア)と評判も上々だ。