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国際財務報告基準(IFRS)は日本の会計基準と何が違うのか

IFRSは一般的期には「国際会計基準」と訳されていますが、「International Financial Reporting Standards」の略ですので、厳密には「国際財務報告基準」と訳されます。
企業がグローバル展開し、投資家もグローバルに資金を運営する時代に、企業の経営状態を判断する会計基準もグローバル化されるべきではないか、という機運が高まり、IFRSが注目されるようになりました。
ではIFRSは日本の会計基準とどのように違うのでしょうか。
大きな違いは、「原則主義」「貸借対照表重視」「グローバル基準」の3点であると言われます。
それではこれらの3点について見ていきましょう。

国際財務報告基準(IFRS)の注目すべき3つの特徴

前述の通り、IFRSの主な3つの特徴の一つは原則主義です。
原則主義では会計処理時の判断を行うために具体的な数値基準が示されません。従って、企業側が原則に従って自ら会計処理の判断をする必要があります。
その結果、財務諸表の開示の際には、なぜそう判断したのか、という合理的な理由が答えられるように、大量の注記(有価証券報告書の注記)が必要になってきます。
それに対して日本の会計基準は規則主義(または細則主義)が取られていますので、会計処理時の判断のために様々な具体的数値基準が予め用意されています。そのため、IFRSの注記は日本基準の3倍ほどになると言われています。
次に貸借対照表重視という特徴について見てみましょう。
日本の会計基準はPL(損益計算書)重視となっています。これは日本の会計基準が、右肩上がりの経済状況の中で決められたため、将来予測が期間損益だけで可能だったからだと言われています。
しかしIFRSでは、投資家や債権者が必要としている資産価値を評価する情報として、将来キャッシュフローの現在価値を重視します。
従って、PLよりもBS(貸借対照表)を重視し、将来キャッシュフローを生み出せる資産状況かどうかを評価します。例えば売却可能な金融資産なども時価評価されます。
そして3つめの特徴がグローバル基準です。
IFRSはIASB(International Accounting Standard Board:国際会計基準審議会)という多様な国の関係団体によって構成された組織により作成されています。その際、IFRSがグローバル基準に沿うために、各国の会計基準の独自性を加味しないことや、議論や定義は英語で行い、各国の言語による差異を防ぐことが実施されています。
また、既にIFRSは世界的に受け入れられ始めており、主要国では日本と米国が対応で後れを取っている状況です。
IFRSと日本の会計基準との違いで注意すべき点
IFRSへの対応が進められる中で、日本の会計基準との違いで注意すべき点があります。
例えば、日本の会計基準では、企業が保有している有価証券で含み益があるものを、損益計算書に利益として計上するために期末に売却し、後日買い戻すことがあります。
しかしIFRSではこのような有価証券売却益を損益計算書に計上することが認められない可能性があります。
また、日本の会計基準では売り上げの計上基準として出荷基準が一般的です。ですから、商品が工場を出荷した時点で売り上げを計上します。
しかしIFRSではこのような出荷基準は認められず、検収基準が採用されます。つまり、工場の出荷時ではなく、先方の検収時に売り上げが計上されるのです。
このようなことにより、IFRSを導入する企業は、システムや各種手続きの変更が必要となってくるのです。

国際財務報告基準(IFRS)と日本の会計基準の根本的な違い

前述の様に、IFRSと日本の会計基準には違いがありますが、根本的な違いは、IFRSが企業の抱えるリスクは、その潜在的なものも含めて、その時点ごとこ明らかにしておこう、という考えです。それに対して日本の会計基準は平準化が根本的な考えです。
例えば、含み損がある場合、IFRSでは即座にリスクであるとして開示せねばなりませんが、日本の会計基準では、すぐに顕在化しないリスクであれば、リスクとして評価しなくても良い、と考えます。
この日本の会計基準における考え方は費用収益対応の原則と呼び、費用が発生しても、当期の費用として計上されるのは、当期の収益と因果関係がある費用だけとします。つまりPLに計上されるのはこの部分だけで、残り分についてはBSに資産として計上されるのです。
このことでも、日本の会計基準がPL中心でBSがサブという考え方があることが分かります。
しかしIFRSではBSを重視しますので、四半期毎や年次決算で潜在的リスクも顕在化していかなければなりません。
つまり、IFRSを導入する際、企業は経営のあり方を考え直す必要に迫られるわけです。

国際財務報告基準(IFRS)の日本企業経営への影響

例えば、当期純利益が黒字でも、包括損益が赤字になってしまう、という事態があり得ます。
本業で黒字を出しているにもかかわらず、為替の変動により海外資産の換算差額がマイナスになったり、持ち合い株が含み損を抱えたりすることで、包括損益で赤字が出てしまう場合があるのです。
IFRS的にはこのことで、財務体質が悪化したと評価されます。
このことを経営者が避けたいと考え、含み損を抱えた株式を売却するなどの判断を行う事はありえます。実際、IFRS導入を前提に、保有株を圧縮する動きをしている企業も出てきています。
このような評価方法が融資の基準に影響を与えれば、企業の経営方針にも変化を与える可能性があります。
あるいはリース業界などの様に、IFRSでリースの会計上の扱いが変わることで大きな影響を受ける可能性がある業界も出てきます。
実際、リース業界はIFRSの草案の一部に反発しており、その理由の一つはリース利用のメリットを無くしてしまうオフバランス化の廃止です。そしてもう一つがリース物件を現在価値に弾き直して計上するというルールです。
そうなると、リースを利用していた企業に取っては、資産の膨張により自己資本比率が低下するリスクが発生し、会計処理や事務処理が煩雑になりコストが増大するというデメリットがでてきます。
つまりIFRSの導入が企業や業界のあり方に影響を与えてしまう可能性があるのです。
同時に、原則主義であるIFRSは、経営者にとっては説明責任範囲の増大を意味しますから、経営者も財務に強くなければならないことが強いられるようになります。

国際財務報告基準(IFRS)を採用し始めた企業

以上のように、日本の会計基準からの移行が難しいIFRSですが、既に適用を表明している企業も出てきました。
東京証券取引所の発表によれば、2014年5月現在でIFRS任意適用会社は以下の17社です。(http://www.tse.or.jp/listing/ifrs/list.html参照)
日本電波工業、HOYA、住友商事、日本板硝子、日本たばこ産業、ディー・エヌ・エー、アンリツ、SBIホールディングス、マネックスグループ、双日、丸紅、トーセイ、中外製薬、楽天、ネクソン、ソフトバンク、旭硝子
また、任意適用を予定している会社は以下の22社です。
武田薬品工業、アステラス製薬、小野薬品工業、そーせいグループ、第一三共、リコー、伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、伊藤忠エネクス、エムスリー、エーザイ、ヤフー、伊藤忠テクノソリューションズ、富士通、セイコーエプソン、日東電工、ケーヒン、参天製薬、コニカミノルタ、日本取引所グループ、LIXILグループ
以上の様に、日本でのIFRS採用は、着実に進められていると言えるでしょう。