業界トップの脱毛サロンミュゼプラチナムが経営破綻寸前であるというニュースがメディアを賑わしています。
ミュゼの100円脱毛広告は電車の中刷り広告や、インターネット広告でもご覧になられた方が多いと思われます。

運営会社の株式会社ジンコーポレーションが既に「任意整理」に入っているとのことです。

ミュゼをはじめこのような脱毛サロンは高額の「前受金制度」が常識であるため、融資銀行団の判断如何では、240万人という業界最大規模の会員らに前受金が返金されないという恐れもあり、社会問題化する様相を呈しています。

原因には、サロン業界に特有の会計処理である『簿外債務』と『過度の広告費用計上』が大きく関わっているようです。
業界トップが一番ずさんな経営をしているという皮肉な結果になってしまっています。

こういった大企業の事例にとどまらず、中小のサロン業界のお客様からの資金繰り相談も多数承っています。
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以下、フォーサイトより引用

■巨額の未払い金

そもそもジン社の資金繰り悪化は今年4月から露見し始めていた。その煽りで全従業員の夏のボーナス支給が見送られ、毎年恒例の高額社員旅行も中止になったことは前回記事で指摘した。

が、“被害”はすでに取引先にも及んでいた。巨額の未払い金が発生していたのだ。

「7月末、大手広告代理店『電通』の経営陣からジン社の高橋仁社長が呼び出され、未払い金の早期返済と取引停止を通告された」(ミュゼ関係者)

8月末時点での未払い金は約20億円と言われているが、その繰り延べは4月から始まっていた。まず4月末時の残債約7億円を5月末に繰り延べ。さらに5月末時の約13億円を6月末に。6月末時の約16億円のうち7月末に4億円のみ支払ったが、7月末時には残債が約24億円に膨れ上がり、8月末に返済できそうなのは4億円のみで、残り20億円は返済のメドがまったくつかない状況なのだという。

「全国の店舗に毎月末には配布されていた折り込みやポスティングのためのチラシが、8月に入っても届かない。おかしいと思っていたら、結局8月はゼロでした」(同)

折り込みだけでも5月約3600万枚、6月約3200万枚、7月2070万枚、ポスティングもほぼ同数作っていたが、8月は両方ともいきなりゼロ。すでにチラシを作る余力さえなくなっているのだ。無論、テレビCMや地下鉄車内などの広告も激減している。

■「医師法違反」で「身売り計画」も不成立

ジン社のメーンバンクは創業以来の付き合いである常陽銀行だが、以下足利、三菱東京UFJ、東邦、七十七などの各銀行とも取引がある。

「今年3月、それら銀行団による4回目のシンジケートローンで13億円を調達した」(同)

が、それも火に油を注ぐ結果にしかならなかった。電通問題と同時期、高橋社長は銀行団首脳らにも呼び出されたという。

「そこで問題とされたのが簿外債務。会員は契約時に複数回分の施術代を一括前払いするシステムで、これ自体は特定商取引法で認められた『特定継続的役務提供』で違法ではない。実際、エステや語学学校などでは一般的。ただし、クーリングオフや途中解約もできるから、その場合は残金を返金する必要がある。そのため、本来はこの前受金は売り上げに計上せず、施術回数に応じてその都度計上するのが普通。ところが同社はこれを一括売上計上している。返金=債務となるため、会計上は『簿外債務』と見なされる処理」(銀行関係者)

同社の売上は390億円(2014年8月決算)を誇るが、その多くが本来は簿外債務であり、銀行団は今回、そこを問題視したという。適正な会計処理をすれば累積簿外債務は軽く売り上げを超え、たちまち債務超過に陥るからだ。

「そこで銀行団は9月末までに再建計画と具体的な債務返済計画の提出を命じたところ、高橋社長は返済猶予を願い出たが当然拒絶され、窮したあまり“身売り計画”まで提示したといいます」(同)

実際、M&Aに詳しい弁護士によれば、ある外資系投資会社と飲食事業会社などに打診があったという。

「が、いずれもビジネスの根幹に医師法違反の疑いがあるため、不成立に終わったようです」

すでに世界最大の会計事務所の日本法人であるPwC社が、7月からジン社内の会議室にスタッフを派遣し、常駐。これら簿外債務の実態と資金能力などを精査し、9月末までに銀行団に返済計画を提出することになっている。つまり、経営破たんした会社が不渡りなどによる倒産を事前回避するために行う「任意整理」の段階に、すでにジン社は入っているわけだ。