12月の日銀短観、大企業製造業DIプラス12 2期ぶり悪化 先行きプラス9

2014/12/15 9:13

日銀が15日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス12だった。

前回の9月調査(プラス13)から小幅に悪化した。DIの悪化は2四半期ぶり。急ピッチの円安による原材料コストの増加に加え、消費増税前の駆け込み需要の反動減が一部業種で続き、企業の景況感は停滞している。輸出回復の遅れも景況感の悪化につながった。もっとも、反動減は全体として収束しつつあり、悪化幅は小さかった。

3カ月先については、大企業製造業がプラス9になる見通し。素材産業を中心に、円安による原材料コスト高への懸念があり、企業マインドの悪化につながった。

2014年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=103円36銭と、前回の100円73銭よりも円安・ドル高方向に修正された。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。回答期間は11月12日~12月12日で、今回の回答基準日は11月27日だった。

大企業非製造業のDIはプラス16と、前回から改善した。改善は3四半期ぶり。消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動減が収束に向かっているうえ、訪日外国人の増加などを背景に宿泊・飲食サービスなどが持ち直した。

3カ月先のDIは小幅悪化し、プラス15を見込む。小売業などで改善を見込む一方、公共事業の減速で建設業のDIが悪化したことなどが影響した。

中小企業は製造業が前回(マイナス1)から改善しプラス1、非製造業は前回(ゼロ)から悪化しマイナス1だった。非製造業DIは5期ぶりにマイナス圏に沈んだ。先行きはいずれも悪化を見込む。

14年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度比8.9%増だった。9月調査の8.6%増から上方修正され、QUICKがまとめた市場予想の中央値(8.1%増)を上回った。先行きの海外経済回復の期待に加え、企業収益は堅調で、これまで先送りしていた設備更新や能力増強投資を再開する動きが出てきたことが、増加につながったようだ。大企業のうち製造業は11.4%増、非製造業は7.6%増を計画している。

大企業製造業の輸出売上高は前年度比1.2%増となり、9月調査から上方修正された。円安基調が続いていることで輸出企業が先行きについて強めの計画を設定したとみられる。

大企業製造業の販売価格判断DIはマイナス3と、9月調査(マイナス4)からマイナス幅が小幅に縮小した。DIは販売価格が「上昇」と答えた企業の割合から「下落」と答えた企業の割合を差し引いたもの。仕入れ価格判断DIがプラス19と、前回(プラス17)からプラス幅を広げており、円安を背景にした輸入コストの増加分を価格転嫁する動きはさほど進んでいないようだ。